四捨六入
[書評] もう、国には頼らない
今の日本の政治に憤りを少しでも感じる人,必見の一冊。

居酒屋の和民を始めとして,現在では介護,農協,環境,教育など
多くの事業を展開し,個人としても学校の理事長,医療法人の理事などを勤め,
内閣の教育再生会議に参加し,神奈川県教育委員会の委員としても活躍する
ご存知渡邉 美樹さんが,
「民間にできないことなど何も無い」という言葉のもと,
「民」の立場で,「官」が従来実施していた「公」の業務に取り組んでいく。
その”途中結果”の本。

公共性の高い事業は,「官」でないとできない。
「民」がやると利益の高いところに集中し,利益にならないところが
切り捨てられて,公共性が保てない。
そんな常識を「経営力」によって破っていく。
「官」に足りないものは「経営力」。
経営努力が無いから,顧客である国民に魅力的なサービスができない。

渡邉さんは言う。
経営者は,顧客によって毎日選挙されているようなものだ,と。
少しでも手を抜けば,すぐにそっぽを向かれ,それが続けば
市場から撤退させられ,顧客のために努力すればちゃんと利益が出る。

以前,別の雑誌に載っていた渡邉さんのコメントを思い出した。
いい言葉だったので,私もメモっておいた言葉。
「喜ばれることは儲かる。儲かってないのは喜ばれてないから。」


「官」が仕切る世界では,喜ぶのは「官」が作った仕組みに
群がる人々。本当の顧客ではない人。
それがどのような弊害を生むかは,環境破壊,病院のたらい回し,
安全ではない食品など,あげだせばきりがないほど。

渡邉さんは言う。
>「公」の仕事はもはや「官」任せでは動きません。
>ただ,これまでは「官」に頼りきりだった私達日本人ひとりひとりが
>甘えていた,ともいえます。
>(中略)
>本書で示したワタミの試みが,読者の皆様の「明日の指針」となれば,
>これほどうれしいことはありません


内容自体についてもいろいろ書きたいが,
まずは紹介まで。
もう一度書きます。
今の日本の政治に憤りを少しでも感じる人,必見の一冊。


もう、国には頼らない。経営力が社会を変える! (NB Online book) もう、国には頼らない。経営力が社会を変える! (NB Online book)
渡邉 美樹 (2007/06/28)
日経BP社
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http://news.goo.ne.jp/article/nbonline/business/nbonline-128511-01.html
[書評] 日本を創った12人 (前編/後編)
面白い。
10年前に発行の本が今でも売れているのもうなづける。

堺屋太一さんが”日本”に多大なる影響を与えた人物12人を
独自の視点で選び,解説している。

選ばれた12人とは,
聖徳太子,光源氏,源頼朝,織田信長,石田三成,徳川家康,
石田梅岩,大久保利通,渋沢栄一,マッカーサー,池田勇人,松下幸之助

この時点で”独自な視点”ぶりが分かる。
実在しない光源氏まで選ばれているのだから。

ちなみに光源氏の選ばれたポイントは,
「日本的な上品な人(政治家)」の原型を作り出したということ。
# ただし,現代(10年前だが)はこの”上品”を考え直すべき時がきた,と述べている。

光源氏は,政治的に相当な位に居ながら,政治はほとんどやらず,恋に生き,
和歌を詠んだり宴を開いたりばかりやっているわけだ。
だが,”なんとなくな雰囲気”を醸し出し,周りにいる実務者により
政治が行われていく・・・・

それって全然ダメじゃん,と思うわけだが,実際日本の企業で上に立つ人の中には,
「だいたいそんな方向性だ。細かいことは任せた,よきに計らえ」という人も
多くいるのではないか,と。それって光源氏の世界だよ,というわけだ。
光源氏章の節の1つには「集団主義と称する無指導」とあるが,結構現代でも
そうゆう風景はあるような気がする・・・・確かに。


というように,今の日本の○○な部分を最初に言い出した誰誰は,
影響度大!というのが12人書かれていて,読むと,なるほど,と
納得感があり,ついでに歴史の勉強にもなる。


一言で他の11人を書いていくと,

聖徳太子は世界でも類を見ない宗教観である”習合思想”の元祖であり,
クリスマスを祝ったあと初詣に行く「ええところどり」する日本人を創りだした人。

源頼朝は幕府と朝廷という「二重権限構造」を生み出した人で,トップより
実は最も実力をもって事を動かしているのはNo.2,という日本人の元祖。

織田信長は天下布武という世界初の絶対王政ビジョンを打ち出し,日本の
中央集権社会の元祖を創った人。

石田三成はトップダウンではなく,偉くない人がプロジェクトメーキングする
日本的な企画推進の元祖を創った人。

徳川家康は中央集権型封建社会をつくり,日本人にはびこる外国に
対する不信感や国際間感覚の欠如を生み出した人。

石田梅岩は勤勉は人生修行であることを説き,効率性無視で細部に渡る製品を
作り,なにもかも”ちゃんと”しないと気がすまない日本人感覚を生み出した人。

大久保利通は官僚の力が強く,それに依存したがる人も多い,
官僚主導の日本社会を創りだした人。

渋沢栄一は「財界」,そして護送船団のような日本的協調主義を
を創りだした人。

マッカーサーは「効率」と「平等」と「安全」が絶対的な
正義であると日本人に植えつけた人。

池田勇人は経済大国日本を創り,「金権体質社会」を創りだし,
日本人が会社人間になった元になった人。

松下幸之助は終身雇用の日本式経営を生み出した人。
また,経営者松下幸之助が優秀であったばっかりに,
経営者は偉い,というイメージを創りだした人。


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[書評] ホーキング,宇宙のすべてを語る
宇宙,それは最後のフロンティア・・・・
これはスタートレックですね。

我々も宇宙に住んでいるわけだけど,あまり宇宙を感じることはない。
空をずっと見てたらそんな”気”はするけど。。。

宇宙は広い。
多くの人が一度くらいは宇宙に思いをはべらせたことがあるんじゃなだろうか。
そしてだいたい,想像は発散していき,人間はどこから来たのか,とか,
そもそも精神とはなんだろう,とか考え,行き止まる。

(宇宙)物理学者という人たちはそうゆうことを科学的に,
数学的に,突き詰めていくのだろう。

前置きが長くなったが,
現在の第1線の宇宙物理学者の一人であるスティーブンホーキンス。
ちょっと宇宙が好きな人なら名前くらいは聞いたことはあるだろう。
彼の著作の最新版(多分。何しろ2005年発行なので)。
# 去年買ったけど読めずに本棚の肥しになっていたのをようやく読みました。

何しろ,今回のこの本は,分かりやすい。
非常に簡単な言葉で書かれている。
簡単に書きすぎて,
”そこ説明はしょらずにもうちょいちゃんと説明してくれー”
と思うところもあるが,そうゆう部分は他の本で補えば良い。
ちなみにもう1つ難癖をつけるとしたら,挿絵は分かりにくいこと。。
(というかあまり意味がない挿絵ばかり・・・)

あくまで(今まで同様),過去から現在の宇宙論が
どのようになってきたのか,今の課題は何なのか,どこがポイントなのか,
ということのおさらいの本であり,
この本をもって新たな画期的な情報が得られるわけではないし,
当然ながら宇宙のすべては分からない。

えぇ,そうなの,とがっかりせずに,宇宙に興味がある人には
ほんと読む価値はある。(既にそれなりに詳しい人はいらないかもしれんが)
もちろん数式は出てきません。

ところどころに,”神”とか”哲学者”に対するホーキンスの
見解も入っていて,淡々とした解説本にも留まらない。

宇宙に興味がある人(でかつそんなに詳しくない人)はほんとに必見だと思う。



ホーキング、宇宙のすべてを語る ホーキング、宇宙のすべてを語る
スティーヴン・ホーキング、レナード・ムロディナウ 他 (2005/09/30)
ランダムハウス講談社
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